財団法人井上バレエ団機関紙
『あまりりす』 vol.22
  2000年12月10日発行
東京都世田谷区砧8-4-13
Tel.03-3416-3656

編集人 諸角佳津美
井上バレエ団12月公演 『くるみ割り人形 全幕』
「くるみ割人形」も回を重ねて16年。初演のころにはまだそう多くはなかったのですが、最近では12月になると、外来の公演も含め、あちこちでいろいろな「くるみ割り人形」が上演されています。毎年、楽しみにしてくださっているお客さまも増え、年末の第九と並んで、すっか定着したように思われます。  どのバレエ団も演出に工夫があり、それぞれに楽しめますが、私達の「くるみ割人形」にも井上バレエ団ならではのお楽しみがあります。
くるみ割人形
くるみ割人形
 幕開き。客人達がパーティーに向かう場面はなく、緞帳が上がると其処はこれからパーティーが開かれる客間です。ご主人が最後の確認をして、お客さまを迎える準備が整いました。この場面は、これからバレエを見ていただく私達が、お客さまに「さあ、お楽しみください」と、気持ちを引き締める瞬間でもあります。胸を踊らせて登場する子供たち。
 夜中の客間は、先程までとはうって変わり、暗く、寂しく、ちょっと気味の悪い気がします。赤い目をピカピカと光らせたねずみたちは、恐ろしくもあり、ユーモラスでもあります。くるみ割人形の王子と戦うねずみの王様を応援したり、作戦会議を開いて「エイエイオー!」と鬨の声をあげてみたり。王様が倒れたときには、こねずみが白旗を掲げて退散します。
 そして一幕一場。クリスマスツリーの下から王子様が現れます。この場面は毎回見逃せません。王子の登場であると同時にゲストダンサーの登場でもあります。戦いに疲れて伏せていた王子が、静かに起き上がり、クララに挨拶をします。雪の女王が現れ、クララを招きます。クララにとっては、信じられないほど幸せな瞬間でしょう。
藤井直子
藤井直子
 二幕の幕開きは、甘さに包まれています。緞帳が上がると斜幕のむこうに金平糖の精を中心にお菓子の国の踊り手たちがユックリと動いているのが見えます。デコレーションケーキかメリーゴーランドのようです。斜幕も開くと眩しいほどのライトのなかに、お菓子の国が現れます。
 最後のお楽しみ、クリスマスソングによるフィナーレまで、井上バレエ団のダンサーによる踊りとピーター・ファーマーによる夢のある美術・衣裳でゆっくりとお楽しみ下さい。

バレエ研修報告

深沢麻衣子
深沢麻衣子
 カナダのサマースクールの一日のスケジュールは、午前中クラシックとポワントのレッスン、午後はジャズとヴァリエーションでした。初めての経験のジャズは想像以上にハードでした。クラシックではターンアウト、手の動き、プリエを注意されました。ウィニペクの先生方が実際に踊って教えて下さったのが、大変勉強になりました。ヴァリエーションのクラスでは、リラの精とパキータを練習し、注意されることを頭は理解していても体が動いてくれないので苦しみました。毎日激しい筋肉痛と疲労との戦いでした。時には鼻血を出しながらの苦しいレッスンではありましたが、やり遂げた充実感はなにものにもかえられません。目に見えない精神的な面でも沢山学ぶことができたような気がします。
サマースクールのチャンスを与えて下さった先生方、スタッフの方々、そして家族に心から感謝しています。(カナダのウィニペクバレエスクールで研修)
小高絵美子
小高絵美子
 マルセイユは魅力的な港町で、見慣れない景色を見ていると現実を忘れそうになりました。最初は、日本人とフランス人の体型、骨格、考え方、生活習慣などの違いにとても驚き、なかなか理解できず、毎日とまどってばかりでした。慣れるまでに一ヵ月以上かかってしまいましたが、その後はフランス人はとても素直で人間らしく心魅かれる人達だと思うようになり、大好きになりました。好きになった一つの要因はコレット・アルマン先生です。先生は何に対しても厳しい方ですが、笑うととてもステキで、私はその笑顔を忘れることができません。
今回の研修の第一の目的は、本場のバレエを知るということでした。2か月の間に学んだことはバレエは勿論でしたが、慣れた日本での生活ではなかなか気づかない小さな事から大切な事までたくさんありました。よい勉強をさせていただいたと感謝しています。(マルセイユのコレット・アルマンバレエにて研修)
小澤祐子
小澤祐子
 カナダのウィニペクバレエスクールでの研修はスクールの寮に宿泊していたので、朝から晩までバレエ中心の生活を送ることができました。クラシックバレエのレッスン以外に、今までほとんど経験したことがないキャラクターとモダンの勉強もしました。最初は戸惑いがありましたが、体が慣れてくるとその奥深さに驚き、魅せられてしまいました。これからはいろいろなジャンルの踊りに触れてみたいと思っています。休憩時間にはカンパニーのリハーサルを覗くことができ、体の使い方、指先の表情、感情表現など参考になることが多くありました。
今まで先生方に多大な心配をかけてきた私に、このような機会を与えて下さり、本当に感謝しています。これをステップに、これからもしっかり頑張っていこうと思います。(カナダのウィニペクバレエスクールで研修)
西川知佳子
西川知佳子
 ウィニペクバレエスクールはカンパニーと同じ建物にあり、プロのダンサーの練習を毎日見ることができました。イヴリン・ハートのレッスン姿を見ることができて感激でした。クラシックバレエのクラスでは、脚を開いて使うこと、爪先を伸ばして踵を前に押し出すことを特に言われました。上半身については肩を下げて指を柔らかくする、下半身がどんな動きをしていても上体は真っ直ぐに保つようにと教えられました。レパートリークラスでは、舞台でお客様に見せることを意識したアドヴァイスを沢山していただき勉強になりました。今回は4人の先生に教えを受けましたが、どの先生も「失敗してもいいから思い切ってやる」「楽しないで常に全力でやる」ことを強調していました。
この研修ではクラシックバレエ以外の踊りに触れる機会が多く、刺激的でおもしろく、2週間とは思えない程濃い日々で、毎日幸せでした。このような勉強の場に送りだしていただきありがとうございました。(カナダのウィニペクバレエスクールで研修)



  クラス紹介  
カトレアクラス
カトレアクラス
 毎週土曜日の朝、女性、男性、主婦、OL,学生、若い人、ずっと以前は若かった人、小さいときバレエをやっていた人、全く初めて身体を動かす人、さまざまな人達が思い思いのレオタードで気持ちのよい汗(冷や汗?)を流しています。このように幅広い生徒達を相手に忍耐強く丁寧に指導して下さる平野先生のご苦労はたいへんなのもですが、おかげ様で家庭や職場や年齢もつかの間忘れて楽しくレッスンしています。
 初心者のクラスにもかかわらず、ピアニストの包国さんがバレエ音楽を生で弾いて下さるのも、贅沢なことです。
 上手にできなくても気兼ねすることなく、それぞれが自分のペースで努力し、大好きなバレエを体験するという喜びを分かち合っている素敵なクラスです。(早苗恵子)



タンポポクラス
 ちょっと大きくなったバレリーナ。
 下のお稽古場から軽やかにスキップしている音が聞こえてきます。前回紹介しましたレンゲクラスです。
タンポポクラス
 今回はその上のタンポポクラスを紹介します。小学校にあがり、おしゃべりも少し大人びた子供たち、黄色いレオタードに身を包み、レッスン中も目に真剣さが見えます。ついこの間までレンゲクラスだった子供たちは少しずつですが前進しています。レッス内容も専門的です。
 3月には発表会があります。レンゲクラスからあがってきた子供たち、発表会後は上のクラスにあがる子供たち、いったいどんな舞台を観せてくれるでしょう。
 がんばれ!!タンポポクラス  (亀谷洋美)



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