井上バレエ団7月公演のお知らせ
今年の7月公演は、バレエ団創立40周年、財団設立25周年、そして井上博文没後20年という節目を迎えての記念公演です。
井上博文の好みが強く打ち出された、第一回の「井上博文によるバレエ小劇場」から小の字がとれ、51回以降は、「井上バレエ団公演」として公演活動を続けてきました。1988年2月には、井上が急逝し、その後を引き継いで関直人、岡本佳津子を軸にさらにバレエ団として充実してきました。
今回は、井上バレエ団ならではの作品を見ていただきます。
「コンセルヴァトワール」は、オーギュスト・ブルノンヴィルの作品です。原型は2幕もののバレエで、『コンセルヴァトワール、または新聞広告による結婚申し込み』という題名です。現在では第T幕のバレエ学校の場面だけが上演されています。ブルノンヴィルの師であったヴェストリスのクラスを再現しています。
「ジェンツァーノの花祭りよりパ・ド・ドウ」はブルノンヴィルの作品の中では良く知られた小品で、コンサートなどでよく踊られる、若いカップルの初々しいパ・ド・ドウです。
井上バレエ団で20年近くにわたってブルノンヴィルスタイルの指導にあたっている、デンマーク王立バレエ団のフランク・アンダーソンとエヴァ・クロボーグが今回も指導にあたります。
「ヴァリアシオン」は井上バレエ団ではちょうど20年前に上演しました。井上博文が非常に敬愛していたセルジュ・リファールが、1953年に当時のオペラ座のエトワールたちのために作った作品です。ダルソンヴァル、ヴォサール、バルダン、ダイデ、ヴィルボバ、ラフォンの6人です。有名な『パ・ド・カトル』と同様に、6人のヴァリエーションには、初演のバレリーナの名前が残っています。
リファールのアシスタントで、リファール作品の継承に力を注いでいたレオン・マイル女史が来日し、貴重な資料を基に振りを伝えてくれました。井上バレエ団で上演した後に本家のパリオペラ座でリバイバル上演されました。
今回はリファールスタイルを正しく伝える為に、リファール作品を数多く踊って、その演技に定評のあり、井上バレエ団との縁も深いシリル・アタナソフを指導者として招きます。
「グラン・パ・エスパニョール」は、『ドン・キホーテ』の音楽を使用していますが、ドン・キホーテやサンチョ・パンサなどは登場せず、キトリとバジルという若い二人の結婚を祝う、広場でのお祭りです。関直人の小品のなかではダンサー達にもっとも人気のある作品のひとつです。今回はバジル役にパリオペラ座のエマニュエル・ティボーを迎え、さらに改訂を加えました。華やかな祝宴が、記念公演にふさわしいバレエです。
「グラン・パ・エスパニョール」の美術・衣裳を担当するピーター・ファーマーは、1977年の「白鳥の湖」以来、井上バレエ団のレパートリーの数々を美しく飾っています。彼の美しい色使いが、今回も楽しみです。
ゲストダンサーには、昨年の7月公演の「眠りの森の美女」で島田衣子と素晴らしいパートナーシップを見せてくれた、パリオペラ座のエマニュエル・ティボー、ブルノンヴィルの作品には、美しい足捌きと高い演劇性を見せる、デンマーク王立バレエ団のトーマス・ルン、若手のセバスチャン・クロボーグの3人を迎えます。
藤井直子、島田衣子を始めとして、鶴見未穂子、宮嵜万央里、小絵美子、西川知佳子、田川裕梨、田中りなといった現在どんどん成長中のダンサーたちが大活躍します。